過去と追いかけっこ

 全身に纏わりつくような湿気。
坂道を駆け上がる途中、ふと急に思い出す。
とたんに、体から力が抜ける。
いつも、そうだ。どうしたらいいんだろうな。

思えば、攻め方が違くて‥。
お前がいかないなら、俺が行くが、どうするんだ?
心の内が決まらぬ状態であるにも拘わらず、無理やりに選択した。
焦燥感に駆られた。
だから、相手の歩幅に合わせることなく、闇雲に走って‥。

やっぱり、決定を他人に委ねては駄目だな。
全力でぶつからなくちゃ、何も得られない。俺はそういうやつだったじゃないか。
今までもそうだったし、きっとこれからもそうだろうな。

忘れてえな。
あの子はもう、忘れただろうか。
でも、忘れたくないな。

ただ一度だけ、最初で、最後だ‥。
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